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JOURNAL vol.3

素直に、“無” の気持ちで中華と向き合う

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ご夫婦で『中国料理MASUKI』を営む増木さん。繊細な料理と心地良いサービスで人気を誇る一軒です。愛犬を家族に迎えてから自宅でゆっくりと過ごす時間が増えたことで、中華に対する考え方やポイントにも少し変化が生まれ、従来のスタイルにとらわれすぎず素直に料理に入っていくようになったと話します。家でレシピを考えることも多いという増木さん。夫婦と愛犬とで穏やかに暮らす空間から生まれたメニューは、今日もお客様の喜びの表情を引き出します。

増木邸
家族構成:夫婦、犬
床面積:LDK 約30㎡
カテゴリー:リフォーム、インテリアコーディネート
施工日:2020年10月

中国料理MASUKI
広島市南区京橋町6-8 藤多ビル2F
カテゴリー:リフォーム、インテリアコーディネート
施工日:2021年6月

SLAPMOBLER'S THINK

暮らしの中に表れる人生観を大切にした提案を

――今回は、『中国料理MASUKI』をご夫婦で営まれている増木さんのご自宅と店舗のリフォームを行ったとお聞きしています。

そうですね。ご自宅に関しては、愛犬との暮らしを新しくスタートするタイミングでご相談をいただきました。
インテリアコーディネートをする際に大切にしているのは、お客様がどんな暮らしをしたいのか、どんな風に過ごすことが多いのか、何を優先したいのかを
しっかりとお聞きして、その上でご提案をするということです。増木さんの場合も、事前に理想の暮らしについて伺うところから始まりました。

――増木さんはどんな暮らしをご希望されていらっしゃったんですか?


ご夫婦と愛犬とでゆっくり過ごす時間を大切にしたいとの想いから、一番のご希望は開放感のある広いワンルーム、ということでした。通常ワンルームで生活するときは寝室を別室にすることが多いですが、今回はワンルームの中で完結させたいという希望だったので、寝室をリビングの中に入れ込むような感覚で、寝室・キッチン・リビング・ダイニングが一部屋に収まるように図面を作成していきました。



――寝室も一部屋で収まっているのは確かに珍しいですね。具体的にはどのようなリフォームを?


今ベッドを置いている部分は、リフォーム前は部屋のように壁がありました。その壁の上部や一部を壊して開けて、ワンルームになるように部屋全体を広げるリフォームを行っています。そうすることで、エアコンが1台でもちゃんと機能するようにもなるんですよ。
次にソファなどの手持ち家具を部屋にきれいに収めること、希望するシステムキッチンが入ること、家具や空間に対する照明のバランスなどを考えながら、細かな寸法を出しつつ配置を決めていきました。その内容で実際にリフォームが可能かどうか少しずつ壁を壊して確認して、さらに微調整を重ねて図面をブラッシュアップしていった形です。



――リフォームで部屋を広げて開放感を出したとはいえ、ワンルームに家具などの要素をたくさん収めるとなると、かなり細かく寸法を見ていかないと難しそうですね。


空間から心地良さを得るには、動線とサイズ感がとても重要になります。今回は夫婦と小型犬との暮らしなので、ソファでくつろぐ時間が増えると考えました。ダイニングテーブルは私からご提案したものですが、ソファ周りの心地良さを確保するためにダイニングは丸型テーブルを配置しました。角型だと動線が悪くなってしまうんですよ。角か丸かだけでも生活には違いが出てくるので、心地良く暮らせるようにそうした細部までのご提案を大切にしています。



――家具と空間とのバランスが心地良さにつながるんですね。


そうですね。うちは家具屋でもあるので、家具と空間の両面から同時進行でプランニングしていけるのが強みです。例えば気に入っている家具も部屋の造りもどちらも諦めることなく、希望を実現できる方法を探すことができます。そのうえでさらに心地良い空間になるように、照明や壁などを加えて考えていくというプロセスをとっています。



――店舗についてはいかがでしょうか。


今回は店の雰囲気を変えたいという希望から、主に壁の色を変更することになりました。
もともとは中華料理店としては少し珍しく、壁が落ち着いた深みのあるグリーンやブルーなど、色味はありながらもダークトーンの色使いを生かした空間でした。特に来店されるお客様からは、ブルーの印象が強いとよく言われていたそうなんです。シェフのいる厨房周りの壁がブルーなので、お客さんも視覚的にそのイメージがあるんだと思います。



――シェフが調理している姿は、やっぱり見たいですもんね。


なので増木さんからは、最初はブルー系統のサンプルを依頼されていました。ですが、せっかくならもう少し雰囲気が変わって見えるものも良いんじゃないかと思って、紫とかベージュのサンプルも忍ばせてみたんですよ。最終的には、この紫を選んでいただきましたね。



――すごく上品な紫色ですよね、落ち着きも感じられます。


お店のイメージは崩さずに、でもちゃんと変化は感じられる色ですよね。これは「PORTER’S PAINTS」という質感が出せるインテリア塗料で、広島県内では当店でのみの取り扱いになります。
この質感が出せるペイントを生かすために、今回は照明のご提案も併せてさせてもらいました。ペイントの陰影が感じられるように、厨房奥のダウンライトを壁面に光を当てられるタイプにしました。あと、通常の照明は広い範囲を明るくするために光の角度が広くなるように設計されていて、こちらでもそのタイプを使用していました。ですが今回は、調理台では手元付近の明るさをちゃんと確保しながらも、通路などは以前より光量を絞るように照明を調整して、お客様が厨房全体を見た時に明るさのメリハリがつくような工夫をしました。



――それはだいぶん雰囲気が変わりますね。壁だけではなくてそれに連動する照明も併せるなど、全体がより良くなるようにインテリアコーディネートの提案を行っていくということですね。


そうですね。まずはお客様がどんな人生観を持っていて、どんな暮らしの空間を求めていて、どの部分に優先順位を置くのかを理解したうえでのご提案が基本です。そこをベースに、例えば飲食店ならお客様がまた食べに来たいと思ってもらえるような居心地の良い雰囲気をつくることを大切にしています。家についてはくつろげる空間であることを重視して、家具は長く使えるもの、本物の家具や素材を取り入れていただくことが良いと考えています。それだけで満足度や快適さはずいぶん変わり、暮らしの豊かさにもつながっていくと思います。

interviewee
手嶋昭典
お客様の家や空間に対する思い、考えを丁寧にお聞きした、空間全体のコーディネート提案を大切にしています。

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