Bedroom Plan

睡眠は心身の健康にとても重要なもの。そのため寝室は、快適な眠りのために心地良く整えておきたい空間です。ベッドの頭側の壁には、ペイントをコーディネートしています。上質な顔料が使われたポーターズペイントは、朝や夜の光の変化によって色調や陰影がさまざまに移り変わり、それぞれの時間帯ならではの表情を見せてくれます。壁を通して表現される光の移ろいは空間全体を柔らかな雰囲気で包み、夜眠りにつく時間、朝眠りから覚める時間を心地よく演出します。また、ペイントを施すことで空間全体にメリハリが生まれ、ベッドの存在感を引き立てることにもつながります。ベッド周りを含めて空間全体を広く整えることで、より心地よい睡眠環境をつくります。

ベッドは、職人が手掛ける高い品質と環境に配慮したものづくりを行うドイツのヒュルスタ製。壁を魅せるため、ヘッドボードなしのシンプルなタイプをセレクトしました。フレームのみですっきりとした見た目なので、ゆったりとしたキングサイズを配置しても部屋に圧迫感を与えません。ポケットコイルなどのバネが入った一般的なマットレスは、硬さが平均的ですべての体型の人の寝心地をカバーすることは難しいですが、ヒュルスタのベッドは板バネ状のウッドスプリングとウレタンマットレスを採用し、からだの部位ごとに硬さを調整することで一人ひとりの体型に合わせた理想の背骨ラインと寝心地の良さを実現しています。ウッドスプリングは、強度にこだわって独自に設計されたスラットと呼ばれる板バネ1本1本で構成され、寝ている間の体の動きをしっかりとサポートします。湿気とカビを防ぐコーティングを施しているため、湿気の多い日本の住環境にも向いています。寝返りがうちやすい高密度の高反発ウレタンフォームでつくられるマットレスも、同様に通気性に優れています。女性一人でも運べる薄さと軽さも魅力で、風通しなどの定期的なメンテナンスも行いやすいつくりです。一人ひとりに合う寝心地とともに、快適に使うことのできる構造を持つこのベッドが、上質な眠りへと導きます。

心身を休める寝室では、“適光適所”の考えに基づいた照明計画が重要です。空間をまんべんなく明るくして昼の灯りを再現するのではなく、あえて適度な暗さを演出して落ち着きをつくります。円と直線、斜角、直角というミニマルなフォルムで構成されたAJウォールは、必要な場所に必要な明かりを灯せる壁付け照明。下方に向かって柔らかい光を放って効果的に手元を明るくするほか、壁には穏やかな光の陰影を生み出して、眠りにつく前のくつろぎの時間を演出します。手元のスイッチでON/OFFの調整ができ、手元だけを照らすスポット光でお互いの睡眠を邪魔しません。

ベッドの横には、スウェーデン国立美術館の館内にあるカフェやレストラン用にディスプレイシェルフとしてつくられた、ミュージアム コンソールシェルフをレイアウトしています。シンプルで美しい壁掛け収納です。壁付けの良いところは、床から浮かせることで特にほこりが溜まりやすいベッドサイドでも足もとの掃除がしやすいことです。さらに、見た目にもすっきりとして、部屋を広く見せる視覚的効果もあります。本やメガネなどを置いた姿には、元々ディスプレイ用として製作されているだけあり、美術館のように洗練された雰囲気が漂います。コンパクトでスタイリッシュなこのシェルフが、空間の程よいアクセントとして機能してくれます。

ベッドパッドには、汗取りや防汚といった敷きパッド製品の基本的な目的に加えて、温度や湿度調整、体へのフィット感など寝心地を追求したものをセレクト。保温性、吸湿・放湿性に優れた羊毛製で、一年を通して睡眠環境の温湿度を調整し、快適な寝心地をつくります。蒸れないので布団がベタつかず、いつでもさらっとした触り心地のうえ、水洗いも可能です。羽毛布団は、ポーランドの極めて厳しい気候条件下で管理された飼育環境で育てられたホワイトグースのうち、飼育期間の長い親鳥（マザーグース）の成熟したダウンを使用しています。ダウンボールは大きくかさ高に優れ、空気をたくさん含むことから高い保温力を生み出します。薄く軽量でしなやかな側生地がダウンの膨らみを維持し、柔らかさを体へそのまま伝えます。枕はヒュルスタのベッド専用のもので、弾力性と通気性に優れた高反発ウレタンを使用。表面に施されたピラミッド型の特殊カッティングにより、頭部をしっかりと支えながら頭部の曲線に優しくフィットします。各カバーやシーツには、最高品質の超長綿糸をサテン織りで仕上げた生地でつくられる、サラッとソフトなタッチが魅力のアイテムを選んでいます。肌触りのよいベッドリネン、羽毛布団や枕で、上質な眠りへと導く環境をしっかりと整えます。