秋支度|ベニワレンが伝えるもの

秋支度|ベニワレンが伝えるもの

まだまだ暑いですが、9月といえば夏から秋に変わるころ。北欧インテリア的には一番テンションが上がるのではないでしょうか。
秋支度と言えば、ファブリック。クッションやラグですよね。毎年(特にこの時期)気になっているのが、トライバルラグやベニワレン。今年は特にベニワレンに惹かれています。

ベニワレンはモロッコの遊牧民、ベルベル人のベニワレン族に伝わる手織りのラグ。毛足も長く柔らかな良質のウールは1年中快適で、モロッコで作られるラグの中でも希少性が高いとされています。

民族の伝統品でありながらアルヴァ・アアルトの自邸に使用されていることもあり、北欧家具との相性は言うまでもなくです。「伝統品でありながら」というより、「だからこそ」なのかも。

文字が生まれる前から生活を営み、モロッコの歴史を作ったベルベル人が大切に受け継いでいるものが、時間や場所を越えて価値を保ち続ける理由とは?

大西洋と地中海に面するモロッコの、アトラス山脈が連なるエリアでベルベル人は暮らしています。

(巨人や英雄好きの息子によると、ギリシャ神話に「アトラス」という石になって空を担いで世界を支える巨人がいるそう。山と空の風景がまた違って見える息子と私です。)

この地域は大西洋の暖流などの影響でサハラ砂漠が広がる地ですが雨季があり、高地であれば降雪もありと、様々な気候が混在しています。

わたしのイメージは、ベルベル人の暮らし=”遊牧”でしたが、雪解け水や砂漠のオアシスの恩恵もあって農業もさかん。年間を通して遊牧と農業のサイクルで生活しています。
住まいは自然にならった曲線が特徴。夏の太陽の陽射しと冬の寒さから身を守るため、丸みをおびた土の壁の家に住み、遊牧時は楕円を描くテントに住んでいます。



そんな暮らしの中で作られてきたベニワレン。敷物としてはもちろん、遊牧のテントではくるまるための寝具となり、お祝いの贈り物としても使われる、人々に寄り添う存在です。一点一点手織りで、嫁入り道具として母親が織り、娘に持たせるという習慣も。

ベニワレンの柄の多くは直線で描かれています。よく思い浮かぶベニワレンといえばひし型模様ですが、そのかたちには「家を守る」意味が込められいたりと、いつ、どこの国でも場所でも、家や家族の幸せを思うのはわたしたちの根っこにあるのかもしれません。



重要なのは、暮らす環境が変化しても心地良さを損なわないこと。その中で最適とされた素材と、それを活かす智慧と技術が、受け継がれ、かたちになっています。気候、暮らし、社会や政治が変化する中、快適に暮らす智慧と文化、家族や家を大切にを想う気持ちを継承しているベニワレン。

様々なスタイルへの適応力と、なんだか安心する心地良さを兼ね備えている理由は、長い長い時間、受け継がれてきた歴史や技術や想いといった、目に見えないのものなのだと思います。

私もそんなふうに、想いのあるものをうけつぎ、大切に使って未来に託すことが出来たらと思います。

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ベニワレンをはじめ、ペルシャ絨毯やトライバルラグなど、スタッフも毎回心待ちにしているイベントが今年も開催されます。

会期中は20年以上の経験を持つラグのスペシャリストがご案内いたします。
バイヤーが独自の目線で厳選したラグ、その背景、空間での空間での活かし方、お手入れ方法などを知ることができる、あなただけのラグに出会うまたとない機会です。

日時|2025年11月21日(金)―11月24日(祝・月)
   10時―18時(最終日17時まで)

場所|スラップモブラー西白島本店
※予約優先制

ご予約など、こちらまでお気軽にお問い合わせください。

スラップモブラーそごう広島店/冨士


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

広島市中区西白島町にあるインテリアショップ「スラップモブラー」は、スタイリッシュで個性的な空間を作りたい方にぴったりの場所です。こだわりのソファ、テーブル、北欧家具や照明が揃い、どれもが上質で洗練されたデザインで、あなたのライフスタイルを一層引き立てます。

店内は、居心地の良い雰囲気が広がり、実際に触れることで、自分の空間にぴったりのアイテムを見つける楽しさを体験できます。トレンドを取り入れたアイテムや、独自のセレクションやコーディネートで他にはない特別なインテリアを見つけられるのも魅力です。

ぜひ、スラップモブラーに足を運んで、あなたの理想の空間作りを始めてみませんか?おしゃれで心地よい暮らしを手に入れるためのインスピレーションが、ここに詰まっています!

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ブログに戻る